組織風土
ファロスファームの大胆な戦略が実現できた背景には、経営者の熱い想いと合理性を重んじる組織風土がありました。
- 1.「日本の畜産を変えたい」という想い
- ファロスファームグループの代表である竹延は、遅れた日本の畜産業に不安を感じ、危機感を募らせていました。
このままでは国産の豚肉が食べられなくなる日が来ると考え、まずは自らの会社から変えていくことを決意しました。
- 2.先進事例を貪欲に学び、どんどん自分のものとして吸収
- 竹延は、会社の幹部たちに協力を求め、日本に比べはるかに進んでいた欧米の畜産業の研究を開始しました。
しかし、日本と欧米は気候や風土、ビジネス環境なども違うため、そのままコピーして導入することはできません。
そこで、ひたすらに検討を重ね、それを日本にあったかたちでアレンジし、自分のものとしながら吸収していきました。
- 3.慎重な検討と大胆な投資判断(大規模投資や豚の総入れ替え)
- 先進事例を学ぶ中で、生産性を高めるには、規模を大きくすることと、病気への対策を行うことが大事だということがわかりました。
しかし、日本の多くの畜産農家は収入の道が途絶え、リスクが大きい豚の総入替え(オールインオールアウト)での防疫には及び腰です。
ファロスファームでは、生産性への検討を深める中で、これを不可避と考え、代表の決断で実行しました。この決断は大きな成功をおさめ、以降のファロスファームの発展のきっかけとなりました。
- 4.規模拡大を支える多様な人材の適材適所と年功序列を排した抜擢人事
- 大規模な農場を複数運営するためには、従業員の能力の底上げが次の課題となりました。
優秀な人材に集まってもらうためには、昔ながらの畜産業界の遅れていた雇用システムを変えていく必要があります。ファロスファームでは、業界に先駆けて人事制度や給与制度などの諸制度を整備するとともに、週休2日制の導入や産休育休などの働きやすい環境の整備を進めました。さらには、能力の強化を図るため、研修機関派遣や海外研修を含む教育訓練制度を導入しました。